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大後頭神経と僧帽筋

2017/08/25

肩がこって初めて知る?

 肩といったら、よく“肩がこる”といいますね。

私のギャグを聞かされ学生さんたちが「ああ、肩がこる」とのたまわり、

肩を揉むしぐさをします。自分の肩をもんでみてください。当然右手なら、

左の肩を揉みますよね。ちょっと親指を下げると、鎖骨に当たります。

揉んでい肩の筋肉は、胸鎖乳突筋の外側で鎖骨についています。

ところで、ボールとか何かを投げたりして肩が痛くなったとき、肩を押さえますね。

親指と人差し指で、肩を挟むように押さえます。そこはちょうど三角筋に当たります。

鎖骨、肩甲骨の肩峰と肩甲棘といわれる骨の部分が、親指と人差し指に触れます。

その上がこっている筋肉で、憎帽筋といいます。三角筋と憎帽筋は骨を挟んで上下の

関係にあります。

もう一度肩を揉みながら、憎帽筋を揉んで上に移動してみてください。

なかなか難しいでしょうが、首すじを伝っていって後頭部のほうに到達しますでしょう。

後頭部の中央に骨の出っ張りがあります。それを外後頭隆起といいますが、その下が

盆の窪(ぼんのくぼ)といわれるくぼみで、江戸の“闇の仕置き人”とか“仕掛人”が暗殺の際、

かんざしや畳針を打ち込んだところです。

盆の窪の両わきを揉んでもらうと気持ちいいですよね。鍼灸など東洋医学で

天柱(てんちゅう)といわれる“つぼ”です。そこを揉みながら、指の上にあげると

すぐ頭の骨に当たりますが、その部分がちょうど外後頭隆起からすじ状にきます。

それが左右の憎帽筋が骨についているところです。

ですから、盆の窪の両わきは憎帽筋なのです。もちろんその深部は、また別の筋が

層をなしていますが。

このように憎帽筋は、肩から首、頭に続いているのです。そこで、肩こり、つまり

憎帽筋がこり、こり過ぎると片頭痛が起こるということもあるのです。

先ほどの後頭部中心の出っ張り、外後頭隆起から骨の高まりがすじ状に左右に触られます

(上頂線)が、それより上は後頭部の骨が皮膚の下に直接感じられます。

皮膚の下に憎帽筋などの大きな筋肉がないのです。首すじやうなじを通ってくる血管や神経は

筋肉におおわれて走っています。しかし、筋肉のなくなった外後頭隆起や上頂線より上では、

皮膚の下はすぐ後頭部の骨で、その間の血管や神経は非常に無防備に走っています。

それで、後頭部をぶつけたりして裂傷を負うとかなりの出血をみるわけです。

 

 

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